平成29年度 富山県済生会高岡病院 病院指標

 当院は、DPC対象病院として国が定める集計条件によりDPCデータから「病院指標」をとりまとめ、皆さまに公開しております。
 この指標は、平成29年度(2017年4月1日~2018年3月31日)に当院を退院された患者さんの統計をもとに作成しております。
 なお、10件未満は「-」で表示されています。

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 303 54 94 167 248 300 680 968 688 186
【定義】
・一般病棟の入院時年齢階級別(10歳刻み)の患者数を示したものです。
・年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定してあります。

【解説】
 10歳未満の患者さんの多くは当院で出生した新生児で、母乳性黄疸の症例が多くなっています。
 10代は呼吸器疾患、虫垂炎や外傷など、20代から40代は分娩などの産婦人科領域、椎間板ヘルニアなどの整形外科領域が多くなっています。50代、60代からは日本の三大死因の上位を占める悪性新生物、虚血性心疾患も増えてきます。また関節に関する疾患などが多くなっています。70代、80代と高齢になるにつれ、虚血性心疾患、関節に関する疾患に加え、肺炎、心不全や骨折も多くなっています。
 富山県西部の高岡市と射水市、氷見市から成る高岡医療圏の急性期病院として、救急医療、高度専門医療を提供するとともに、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟を有し、回復期医療を担っています。また治療にあたっては、チーム医療を推進するとともに、手厚い看護を実施し、安全で質の高い医療の提供に努めております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 62 35.76 20.83 24.19 84.45
050050xx99130x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等23あり 副傷病なし 57 4.25 5.91 0.00 72.00
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 53 5.57 3.03 5.66 66.64
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 49 6.98 4.62 0.00 67.33
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 40 22.60 12.34 2.50 77.85
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 誤嚥性肺炎、狭心症、腎臓または尿路の感染症の患者さんが上位を占めています。
 誤嚥性肺炎は嚥下機能が低下した高齢者や脳梗塞の後遺症などにより寝たきり状態の方に多い肺炎です。栄養状態の不良や免疫機能の低下などが引き金となり重症化しやすいため在院日数が長くなっています。
 次に多い狭心症は心臓の筋肉へ栄養を供給する血管が狭くなることで血液が不足し、胸痛や圧迫感などが表れる病気です。狭心症では、検査入院、手術入院があり、検査入院では、心臓カテーテル法による検査を行い、血管が狭くなっていないか検査します。手術入院では、血管が狭くなっていた場合に適用となり、カテーテルを用いた経皮的冠動脈ステント留置術等により治療を行います。開胸の必要がないため身体への負担が少なく、入院期間が短いというメリットがあります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 21 5.05 6.32 0.00 2.76
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 18 4.39 5.94 0.00 1.11
040130xx99x0xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2なし 17 4.47 10.84 0.00 1.24
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 4.27 5.70 0.00 4.00
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 4.47 6.18 13.33 0.00
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 気管支喘息や気管支炎、肺炎、呼吸不全などの呼吸器疾患、新生児疾患の患者さんが上位を占めています。
 呼吸器疾患では、冬季に流行するインフルエンザや肺炎等の感染症が多く、増加する傾向にあります。
 新生児疾患には、新生児黄疸が多くを占めています。新生児黄疸とは、新生児が出生後の適応の過程として、一時的にある程度の高ビリルビン血症となり、皮膚が黄色くなるものです。出生直後から産婦人科が介入することにより、平均在院日数を短縮することに努めています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 12 8.00 9.88 0.00 37.75
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 12 13.75 6.64 0.00 70.92
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 15.61 - -
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 - - 5.56 - -
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 8.98 - -
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 虫垂炎、胆嚢疾患、結腸の悪性腫瘍の患者さんが上位を占めています。
 虫垂炎は虫垂に化膿性の炎症が起こる病気です。小児は進行が早いことや高齢者は自覚症状が乏しいことなどを考慮するなど、各学会における疾患別ガイドラインに基づいた診療に加え、同じ疾患・進行度でも、患者さんの年齢、性格、運動能力、社会生活、家族構成などに応じた治療を患者さんと共に考え選択し実践することを診療方針としています。
 結腸だけでなく胃や胆管、直腸などの消化器の悪性腫瘍、乳腺腫瘍、ヘルニアなど幅広い診療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx02x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 内視鏡下椎弓切除術 手術・処置等2なし 129 17.62 11.90 0.00 71.26
070350xx01xxxx 椎間板変性、ヘルニア 内視鏡下椎間板摘出(切除)術等 128 14.88 10.54 0.00 55.34
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 86 21.17 25.09 0.00 73.57
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 66 21.53 23.14 0.00 65.48
070341xx03xxxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 内視鏡下椎弓切除術 38 18.58 11.69 2.63 67.97
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、変形性股関節症、頚椎症性脊髄症の患者さんが上位を占めています。
腰部脊柱管狭窄症は神経の束の通り道である脊柱管が狭くなっている状態のことを、変形性膝関節症、変形性股関節症は変形性関節症のために関節が破壊されている状態のことをいいます。
また椎間板ヘルニアは、椎間板(髄核とその周りの線維輪)の髄核が線維輪から飛び出した状態のことをいいます。
 患者さんの個々の状態に応じて、痛みなどの症状、家庭環境や心理状態などを考慮した手術計画を作成し、手術前からリハビリテーションの指導、術後の早期リハビリテーションを実施することで日常生活動作(ADL)の向上に努めています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 51 4.45 6.18 1.96 0.00
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 25 10.88 9.75 0.00 33.16
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 24 7.33 6.28 0.00 45.33
120140xxxxxxxx 流産 22 1.14 2.43 0.00 33.55
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 15 8.00 6.37 0.00 51.20
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 当院で出生した新生児疾患、帝王切開分娩、子宮・卵巣の良性腫瘍の患者さんが上位を占めています。
 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害とは、新生児黄疸や低出生体重児などが該当します。小児科と連携することで平均在院日数の短縮に努めています。
 胎児及び胎児付属物の異常には、胎児心拍の異常、帝王切開後の妊娠や骨盤位などによる帝王切開分娩が該当します。正常分娩と合わせた分娩件数は平成29年度は232件となっています。
 また、WHO・ユニセフによる『赤ちゃんにやさしい病院』に認定されており、カンガルーケアや母子同室制、母乳ケアなど、赤ちゃんだけでなくお母さんに対しても優しい医療を提供しています。
 患者さんの身体の負担軽減を考慮し、腹腔鏡により子宮や卵巣の腫瘍を切除する手術を積極的に行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 25.57 16.38 7.14 69.64
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 19.10 - -
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 18.34 - -
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 9.68 - -
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 - - 20.20 - -
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 脳梗塞、慢性硬膜下血腫、頭部外傷といった様々な脳神経疾患を診療しています。その中でも急性期病変の脳梗塞が多くなっています。
 ほとんどの症例では発症24時間以内に入院することが多く、脳保護療法として活性酸素除去剤を用いて活性酵素を低減し、脳梗塞による被害を可能な限り軽減させます。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 ほとんどが白内障手術目的の患者さんです。平成29年度は白内障の水晶体再建術はDPC/PDPSではなく、短期滞在手術等基本料3にて算定するため、今回の統計では反映していませんが、実際には107件となっています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 22 6.50 5.15 0.00 66.23
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 15 6.40 5.48 0.00 37.73
030428xxxxxxxx 突発性難聴 14 8.43 9.18 0.00 62.43
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 11 6.91 7.23 0.00 60.27
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 - - 8.01 - -
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 耳性めまいやメニエール病などの前庭機能障害、扁桃周囲膿瘍、突発性難聴、慢性副鼻腔炎、慢性扁桃炎が上位を占めています。
 めまい、難聴、耳鳴の原因については神経耳科的検査を行うとともに、脳神経外科と連携して検査、治療を行います。
 扁桃周囲膿瘍や慢性扁桃炎では、高熱やのどの痛みにより水分補給や食べ物の飲み込みが困難となった場合に入院して点滴治療を行い症状改善を図っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 19 9.53 8.95 0.00 66.58
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし - - 11.73 - -
130111xxxxx0xx アレルギー性紫斑病 手術・処置等2なし - - 12.26 - -
080011xx970xxx 急性膿皮症 手術あり 手術・処置等1なし - - 17.95 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 10.37 - -
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 帯状疱疹は抗ウイルス剤の点滴・内服を行い、疼痛の強い人では当院のペインクリニックに紹介して治療しています。
 急性膿皮症は丹毒や蜂窩織炎等が該当しますが、当科では蜂窩織炎の患者さんが多くなっています。蜂窩織炎は細菌により皮下組織まで急性化膿性炎症が広がり、境界不鮮明な紅斑、腫脹、熱感、疼痛を伴います。外来治療では十分な治療を行えない場合は入院治療を行います。
 紅斑症、熱傷、水疱症など幅広く対応しております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 15 10.87 7.64 0.00 76.53
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 12 6.58 5.75 0.00 69.92
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 10 13.60 9.73 10.00 72.50
11022xxx99xxxx 男性生殖器疾患 手術なし - - 8.94 - -
11013xxx06xxxx 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 - - 5.74 - -
【定義】
・一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の担当医が所属する診療科で集計します。

【解説】
 膀胱腫瘍、尿管結石、前立腺肥大症、前立腺炎、膀胱結石が上位を占めています。
 膀胱腫瘍に対しては内視鏡的に経尿道的切除を行っています。術後は再発予防として抗癌剤による膀胱内灌流を施行する場合もあります。
 前立腺肥大症は前立腺の過形成による腫大・排尿障害を主とし、経尿道的前立腺手術をする症例を多く扱っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 24 - - 15 - - 1 7
大腸癌 10 - 12 - - 12 1 7
乳癌 - - - - - - 1 7
肺癌 - - - - - - 1 7
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・初発患者はUICCのTNMから示される病期分類による患者数を、再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示したものです。
・患者数は延患者数となっています。

【解説】
 当院は、「がん診療連携拠点病院」と同様にがんに対する集学的治療の実施が可能と判断され、在宅がん患者さんに対する療養支援の実績も認められ『富山県がん診療地域連携拠点病院』に指定されています。 
 胃癌、大腸癌の患者さんの割合が多くなっています。
 癌の治療に関しては、各学会でそれそれの疾患について診療ガイドラインが定められ、癌の種類や進行度に応じて治療方法を選択し、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた幅広い治療を実施しています。緩和ケア目的の患者さんも受け入れており、在宅訪問看護も行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 15 8.67 57.67
中等症 102 25.86 80.27
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
【定義】
・入院契機傷病名および最も医療資源を投入した傷病名に対するICD-10コードがJ13~J18$で始まるものに限定してあります。インフルエンザ等、ウイルス性肺炎、誤嚥性肺炎は除きます。
・重症度分類はA-DROPスコアを用いています。
・市中肺炎とは普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。

【解説】
 年齢が高いほど、重症度が高くなる傾向にあります。
 患者さんが最も多いのは中等症、次いで軽症となっています。軽症の患者さんが平均年齢57歳であるのに比べ、中等症の患者さんでは、平均年齢が80歳と高齢になっており、市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化していることがわかります。
 成人市中肺炎診療ガイドラインでは軽症の患者さんは外来治療となっており、入院加療の適応ではないことがあります。しかし軽症の患者さんでも、先天疾患があったり、癌の既往があったりして重症化を危惧され入院となるケースもあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 76 49.89 75.01 17.50
その他 - - - -
【定義】
・最も医療資源を投入した傷病のICD10がI63$の症例を集計したものです。
・発症日から「3日以内」「その他」に分けた数値を記載してあります。

【解説】
 脳梗塞は脳の血管が血栓や塞栓によりつまり、その血管の支配領域の脳が破壊される状態です。発症日から3日以内の急性期脳梗塞患者さんが7割以上を占めています。平均年齢は75歳と高齢の患者さんが多くなっています。
 脳梗塞は、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)に様々な影響を及ぼします。そのため、急性期の治療が終わったあと、病態に応じて当院の回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟へ転棟してリハビリテーション継続も可能です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 252 0.22 1.02 0.00 64.37
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 66 4.26 6.76 0.00 70.98
K654 内視鏡的消化管止血術 23 2.00 16.96 8.70 74.78
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 18 5.50 17.56 5.56 77.17
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 16 1.31 1.06 6.25 67.44
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 大腸ポリープ、循環器疾患、腎臓疾患に対する手術が上位を占めています。 
 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は大腸ポリープや大腸腫瘍に対して内視鏡下において切除する手術です。
 経皮的冠動脈ステント留置術は、狭心症や急性冠動脈症候群に対して、狭窄部をバルーンで拡張し、内腔側からステントで補強する手術です。
 内視鏡的消化管止血術は、出血性胃潰瘍など消化管からの出血を内視鏡を使って止血する手術です。 
 内視鏡的胆道ステント留置術は、悪性疾患などにより狭まっている胆道を胆汁が流れる様に道を造る手術です。
 血液透析を行っている患者さんは透析をする際に十分な血液量を確保するためにシャントを造設します。経皮的シャント拡張術・血栓除去術はそのシャントが狭窄した場合に行う手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 29 1.21 3.72 0.00 64.45
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 19 9.00 11.21 0.00 69.26
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 15 1.73 3.07 0.00 67.40
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 11 0.64 5.91 0.00 35.18
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 10 0.70 4.50 0.00 28.80
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 鼡径ヘルニア、胆のう疾患、大腸ポリープ、虫垂炎などの消化器疾患に対する手術が上位を占めています。
 患者さんの負担が少ない低襲侵な手術方法として内視鏡、腹腔鏡を用いた手術に積極的に取り組んでいます。傷が小さい、痛みが少ない、手術によっては早期退院が可能であるなどの利点がある手術方法です。
 同じ疾患・進行度でも、患者さんの年齢、性格、運動能力、社会生活、家族構成などが異なるため、一人一人に応じた治療を患者さんと共に考え選択、実施することを診療方針としています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K131-2 内視鏡下椎弓切除術 175 2.20 17.72 0.57 70.03
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 157 1.22 19.55 0.64 70.27
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 137 1.89 12.80 0.00 55.74
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 34 5.68 35.44 5.88 77.41
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 14 7.43 28.64 7.14 78.50
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 脊椎疾患や変形性関節症、骨折に対する手術が上位を占めています。
 椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症のみならず、通常では脊椎固定術が必要な頚椎疾患や腰椎疾患に対しても内視鏡手術で対応しており低侵襲で術後の回復が早いのが特徴です。
 手術手技の工夫や改良に力を注いでおり人工膝関節全置換術後の良好な可動域獲得(膝屈曲角が平均137度)など優れた成績が得られています。人工股関節置換術は前方進入法で最小侵襲手術を行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 21 1.90 8.90 0.00 33.00
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 20 1.00 6.05 0.00 48.25
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 20 0.00 0.10 0.00 33.85
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 17 0.94 6.29 0.00 50.65
K867 子宮頸部(腟部)切除術 16 0.00 1.06 0.00 38.94
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 既往帝王切開後や骨盤位による帝王切開術、子宮筋腫や子宮癌、卵巣癌などに対する手術が上位を占めています。
 当院はWHOおよびユニセフが推進する『赤ちゃんにやさしい病院』の認定を受けており、助産師による積極的な母乳ケアを行っております。
 子宮筋腫などの良性疾患に関しては、子宮鏡や腹腔鏡を用いた内視鏡手術や腹部に傷を残さない膣式手術を積極的に取り入れ、負担の少ない低侵襲手術を基本としています。傷が少しでも小さくなるように努力しますが、最終的にきれいな傷となるようにも心懸けて皮膚縫合を行っております。
 子宮癌、卵巣癌などの悪性疾患に関しては、日本婦人科腫瘍学会の治療ガイドラインを基に十分な話し合いを行った上で決定した治療方針に沿って、手術、化学療法を行っていきます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 106 0.00 1.95 0.00 74.48
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) - - - - -
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 白内障に対する水晶体再建術を主に行っています。
 平成24年8月から光干渉断層装置が導入され、加齢黄斑変性症の治療として抗血管内皮増殖因子薬の硝子体内注射にも取り組んでいます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 18 2.39 8.22 0.00 77.11
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他のもの) 11 1.64 3.18 0.00 68.45
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 10 1.60 11.00 10.00 72.50
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
【定義】
・同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみ集計したものです。
・複数の診療科に転科している患者さんがそれぞれの診療科で手術を行った場合、様式1にある「医療資源を最も投入した傷病名」の診療科として、主たる手術のみを集計します。
・輸血関連は除外します。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術および全ての加算は除外します。
・術前日数は様式1開始日から主たる手術の手術日まで(手術日当日は含まない)の日数、術後日数は主たる手術の手術日から(手術日当日は含まない)様式1終了日までの日数となっています。

【解説】
 膀胱癌、腎・尿管・膀胱結石、前立腺肥大症、尿管狭窄に対する手術が上位を占めています。
 膀胱悪性腫瘍手術は外尿道口より内視鏡を挿入し、ビデオカメラ下で膀胱腫瘍を切除します。術後は再発予防として抗癌剤による膀胱内灌流を施行する場合もあります。
 経尿道的尿路結石除去術は尿道より内視鏡を挿入して、結石を砕石して摘出する手術です。
 経尿道的前立腺手術は前立腺肥大症に対して行われ、尿道から専用内視鏡を挿入し前立腺の中身を切除します。
 膀胱結石,異物摘出術は内視鏡を尿道より挿入して、膀胱内の結石を砕石して除去します。
 経尿道的尿管ステント留置術は尿管狭窄に対し、経尿道的にバルーンで拡張したり、尿管内から切開したりして、カテーテルを留置する手術です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 34 0.92
異なる - -
【定義】
・最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPC6桁130100)、敗血症(DPC6桁180010)その他の真菌症(DPC6桁180035)、手術・術後の合併症(DPC6桁180040)について、入院契機病名(DPC6桁レベル)の同一性の有無を区別して症例数を示したものです。
〇DPC6桁
14桁あるDPCコードのうち6桁で集計しています。DPCコード6桁とは病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。
〇播種性血管内凝固
感染症などで出血傾向と臓器障害を起こす全身性の重症な状態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。
〇敗血症
感染症に対する生体反応のことで全身性炎症反応をきたす重症な状態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。
〇真菌症
真菌による感染症です。
〇手術処置などの合併症
手術や処置などに伴い一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが上げられます。
合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。

【解説】
 手術・処置等の合併症は、透析シャント狭窄(心臓及び血管のプロステーシス,挿入物及び移植片のその他の合併症)が多くを占めています。
 手術・処置等の合併症については全てDPC病名と入院契機病名が同一である症例ですので、手術・処置等の合併症を主訴として入院され、治療を受ける患者さんとなります。
更新履歴
2018/9/28
公開しました。