産婦人科
当科では呉西地区の中核病院として産婦人科全般の診療を行っています。すべての女性に優しい産婦人科を目指して、妊婦さんや褥婦さんはもちろん、月経不順やおりもの、がん検診、更年期、不妊症、性器脱など、女性のすべての悩みの窓口となれるように診療を行っています。そして、医療を決して押し付けることなく、皆さんとともに考えて治療方針や管理方針を決めていくように努力しております。
外来診療では、出来る限り敷居を下げた状態で皆様の訴えに耳を傾け、最新の科学的根拠に基づいた医療に漢方薬などの代替医療も取り入れながら、皆様の納得のいく治療方針を相談していきます。もちろん専門家の診療や治療が必要と判断した場合には、他科ともしっかりと協力した医療を提供します。
病棟診療では、少しでも小さくきれいな傷で体への負担が少なくなるような低侵襲手術を心がけ、入院生活においても病院という特殊な環境を少しでも感じずに過ごせるような快適性を大事にしております。また当然ではありますが、夜間や休日も皆様の緊急事態に対応できる体制をとっております。
特徴・強み
外来診療
- 常勤医2名で産科、婦人科の診療行っております。特殊外来は設けず、月曜日から金曜日の午前中および月曜・水曜・金曜の午後であればすべての産婦人科患者さんへの対応が可能です。火曜と木曜は手術日となっていますが、状況によっては診察も可能ですのでお気軽にご相談ください。
- 妊娠中は時として突然お母さんも赤ちゃんも危険な状態となってしまう可能性があります。そのような状態をできる限り予測し予防できるように、細心の注意を払った周産期管理を行います。
- ゆっくりとした時間の妊婦健診を希望される方へは、妊娠経過に異常のない方に限られますが、助産師による助産師外来での妊婦健診も行っております。
- 産褥1ヶ月健診は水曜日の午後に予約制で行っております。
- 当院では母乳育児を推進しており、他院で出産された方も受診可能な乳房外来も行っております。
- 特に症状を認めない方へのがん検診にも対応しております。
- 更年期の方へは、適切な検査の他に十分な話し合いの時間を持つことにより、ひとりひとりに最も合った治療法を考えていきます。
- 性器脱や排尿障害でお困りの方へは、泌尿器科や外科と協力しながら、女性骨盤底医学という最新の考え方のもと適切な治療法を提供しております。
- 挙児希望の方へは、しっかりとした原因の検索を基本として、最適な治療法をアドバイスしております。
産科
お産に関しては、自然分娩を第一に考えております。不必要な会陰切開、陣痛誘発、帝王切開を回避し、限りなく人工的な関与が少ない状態でのお産を目指します。当院はWHOおよびユニセフが推進する「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けており、助産師による積極的な乳房ケアを行っております。また、カンガルーケアや母子同室制により赤ちゃんだけでなくお母さんに対しても優しさを提供しております。
より良い妊娠経過や出産、産後経過のためには骨盤を中心とした筋肉や関節が重要と考えており、理学療法士と協力し、妊娠中から産後まで全期間での骨盤ケアなどを積極的に取り入れています。
切迫早産、切迫流産、双胎、合併症妊娠など入院が必要な妊娠中の異常に対しては、適切な治療および母児管理を行う事はもちろん、入院生活がストレスとならないよう皆さんの意見に耳を傾け、改善できる部分は改善しながら対応していきます。
残念ながら流産手術が必要となった方へは2018年4月から保険適応となったMVA(手動真空吸引法)での手術を行い、痛みや子宮内腔へのダメージを少なくなるようにしています。
母乳育児サークル・マザリーズのご案内
マタニティヨガ教室のご案内(現在休止しております)
参加申込書(こちらからダウンロードしてください)を記入のうえ、当日ご持参ください。
婦人科
もちろん傷が少しでも小さくなるように努力をしますが、最終的にきれいな傷となるようにも心掛けて皮膚縫合を行っております。低侵襲手術であるため入院期間は短期間で済みますが、家庭では家事などが忙しく早期退院に不安を感じる方へは十分な入院期間を提供する事も可能です。
癌などの悪性疾患に関しては、日本婦人科腫瘍学会が作成した治療ガイドラインを基本として十分な話し合いを行った上で決定した治療方針に沿って、手術、化学療法、放射線療法を行っていきます。各治療に対しても、治療効果を損なう事なく副作用が抑えられるように最善を尽くします。
医療関係者の方々へ
当科では臨床カンファレンス、手術カンファレンス、抄読会の他に、研修医の先生はもちろん他科の若手医師や助産師、看護師を交えて、マネキンなどを利用して臨床に沿ったシミュレーション形式での産科勉強会を定期的に行っています。興味のある方はお気軽にご見学、ご参加ください。
診療実績
分娩実績
(単位:件)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
分娩数 | 206 | 174 | 202 | 184 | 148 |
手術実績
(単位:件)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
婦人科手術 | |||||
腹腔鏡手術(子宮) | 11 | 8 | 4 | 15 | 6 |
腹腔鏡手術(卵巣、卵管) | 27 | 21 | 19 | 22 | 21 |
子宮鏡手術 | 17 | 22 | 14 | 13 | 20 |
骨盤臓器脱手術 | 14 | 12 | 10 | 7 | 14 |
悪性腫瘍手術 | 6 | 5 | 10 | 9 | 7 |
子宮頸部円錐切除術 | 15 | 15 | 16 | 12 | 21 |
産科手術 | |||||
帝王切開術 | 28 | 33 | 38 | 31 | 25 |
子宮内容除去術 | 35 | 21 | 14 | 27 | 21 |
総手術件数 | 206 | 177 | 154 | 158 | 158 |
<ガイドライン一覧>
- 産婦人科診療ガイドライン 産科編2011
- 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2011
- 妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン 2009
- ホルモン補充療法 ガイドライン 2012年度版
- 子宮頚癌 治療ガイドライン 2011年版
- 子宮体がん 治療ガイドライン 2013年版
- 卵巣癌 治療ガイドライン 2010年版
- 産婦人科内視鏡手術ガイドライン 2013年版
- 更年期医療ガイドブック
- 生殖医療ガイドライン 2007
- 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2011
- 尿失禁診療ガイドライン
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2011年版
- マンモグラフィガイドライン 第3版
- 乳癌診療ガイドライン 1.治療編 2013年版
- 乳癌診療ガイドライン 2.疫学・診断編 2013年版
- 乳癌診療ガイドライン 4.検診・診断編 2005年版
- 患者さんのための乳癌診療ガイドライン
- 乳房超音波診断ガイドライン
医師プロフィール
氏名 | 役職 | 専門分野 | 資格 |
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吉本 英生 | 産婦人科部長 | 産婦人科一般 | 日本産科婦人科学会専門医・指導医 日本産婦人科乳腺医学会乳房疾患認定医 マンモグラフィ検診精度管理中央委員会検診マンモグラフィ読影認定医 |
山本 健太 | 産婦人科医員 | 産婦人科一般 |