富山県済生会高岡病院
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マイクロアレイ血液検査

がんマイクロアレイ血液検査について

がん対策

日本では、男性は2人に1人、女性は3人に1人が、がんにかかると言われています。その一方でがんの診断方法や治療も目覚ましく進歩しています。がんの対策としては、検診を自ら受けることが一番大切です。検診でがんを早期発見することで、がんによる死亡率を下げるだけでなく、治療後のQOLを高めることができます。
がんを早期発見するためには、がんを高い精度で検出できる検査が必要となります。

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血液でわかるがん検査はどのようなものがありますか?

現在、人間ドックなどのがん検診に取り入れられている、血液を使ったがんの検査として腫瘍マーカー検査があります。 これは、がん細胞が作り出すタンパク質などを測定することでがんがあるかどうかを判断するものですが、腫瘍マーカーはがんがある程度大きくなるまでは血中レベルでは差が出にくいとされます。そのため現状では、がん診断の補助的な検査や治療後の経過観察の検査として使用されています。

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マイクロアレイ血液検査とは何でしょうか?

今がんにかかっているかどうかを調べる検査には、従来から内視鏡検査、レントゲン・CT・MRI・PETなどの画像検査、腫瘍マーカー検査などいくつかあります。マイクロアレイ血液検査は、腫瘍マーカーと同じように血液を使った検査の1つですが、がんに対する体の反応を「遺伝子レベル」で測定できる最新の技術です。血液中のメッセンジャーRNAという、DNAから発信されるメッセージを解析して「がん細胞の発している細かい信号が出ているかどうか」を判定しているため、従来の方法より早いタイミングでのスクリーニングが可能となります。

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マイクロアレイ血液検査の特徴は何ですか?

判定の対象は、消化器がんである胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がんの4つになります。これらの消化器がんを一度の検査で網羅的に、さらに部位ごとに判定することができます。検査は1回の採血(5cc)のみになります。検査前の特殊な薬剤の投与などもありません。

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マイクロアレイ血液検査は信頼できるのでしょうか?

この検査方法の中心となる新技術は、臨床試験によってその信頼性が明らかにされました。その研究成果はBiochemical and Biophysical Research Communications誌*に掲載されています。
*Masao Honda, Yoshio Sakai, Taro Yamashita et al. Differential gene expression profiling in blood from patients with digestive system cancers. Biochem Biophys Res Commun. 2010 Sep 10; 400(1): 7-15. Epub 2010 Aug 2.

検査の精度は、感度[がん患者をがん患者と判定できる率]=98.5%、特異度[健常人を健常人と判定できる率]=92.9%と高い精度を示しております。検査結果は「陽性」、または「陰性」で判定されますが、血液における遺伝子発現パターンを解析することにより、消化器がんを高い精度でスクリーニングすることができます。
ただし、検査結果は健康状態を判断するための一つのデータですので、他の検査結果と合わせて総合的な診断が必要となります。
この検査は健康保険の対象になっておりませんので自費診療になります

詳細は、ドック健診センター(0766-21-0570)までお問い合わせください。