富山県済生会高岡病院
文字の大きさ

業務内容

薬剤部の業務

100568_01.jpg

 薬剤部には薬剤師13名と助手3名のスタッフがいます。皆様におなじみなのは外来のお薬交付窓口(薬局)で忙しそうに仕事している薬剤師だけでしょうか・・・?いえ、外来の調剤はもちろんのこと、薬剤師の病院内での仕事は非常に多岐にわたっています。また薬剤部では日当直体制を取っており、24時間休むことなく病院内での医薬品の管理、供給などを行っています。


100568_19.jpg

(1) 調剤

 調剤時には、他科の薬と重複していないか、または相互作用がないかを薬剤師がチェックしています。また患者さんからの一包化(錠剤・カプセル剤の1回分包装)希望にも対応しています。


(2) 医薬品管理

 患者さんに使用する薬剤が不足することのないよう、病院内で使用する薬剤の発注、在庫管理なども薬剤師が行っています。


100568_25.jpg

(3) 医薬品情報管理(DI業務)

 医薬品は医薬品情報も非常に重要です。副作用等の情報は日々更新されるので、それらの情報相互作用を整理し、医師や看護師に必要時に情報提供できるよう、薬剤部では常に最新の情報収集に努めています。


100568_03.jpg

(4) 院内製剤業務

 治療に必要であっても経済性、安定性の面から市販されていない薬や、特殊な治療に使用する薬の調製をしています。


100568_22.jpg

(5) 病棟業務

 薬剤師が病棟に常駐し医師・看護師など病院内スタッフと協力して患者さんをサポートしています(チーム医療)。薬剤師はチーム医療の一員となり、薬の飲み合わせや副作用の確認など、薬の専門家として患者さんにとって最良の薬物治療がなされるよう積極的に取り組んでいます。


(6) 持参薬識別業務

 当院は地域の病院や開業医との連携強化を推進しており、地域の医療機関から多くの患者さんが紹介されて入院されます。このような場合、ほとんどの患者さんが紹介元の医療機関で処方された薬を持参されます。持参薬を安全に使用していただくために、持参薬の名称、用法用量等を正確に把握し、電子カルテにデータを入力して当院で処方した薬と同じように管理しています。


100568_23.jpg

(7) 注射薬払出業務

 入院患者に処方される注射薬は患者ごとに個別にセットして病棟に払い出しています。薬品の用法用量、使用方法、薬品同士の相互作用を確認しています。


100568_20.png

(8) 抗がん剤調製業務

 院内で使用する抗がん剤は薬剤部内のアイソレーターで調製しています。
 また、抗がん剤は最も管理の難しい薬剤の一つで、調製ミスや投与量間違いなどが深刻な事態をまねく恐れがあるので、レジメンと呼ばれる仕組みによって管理され、薬剤師は患者ごとにレジメンは正しいか、投与量、薬剤、調製法は合っているかなど多重チェックを行い抗がん剤の適正使用に努めています。


100568_24.jpg

(9) 高カロリー輸液無菌調製業務

  高カロリー輸液は、ビタミンや微量元素が1つの輸液に附属しているバッグ製剤が基本ですが、バッグ製剤で対応できない内容の時は薬剤部内の無菌室内の安全キャビネットで無菌調製を行い、病棟に払い出しています。

(10) チーム医療への参画

 当院ではより専門性を活かした医療チームが形成され専門的な視点で患者をサポートしています。薬剤師もそれぞれの医療チームに参画し、役割を果たしています。

   ・緩和ケアチーム(PCT):患者の苦痛の軽減、生活の質の向上
   ・栄養サポートチーム(NST):栄養評価、輸液メニューの助言
   ・感染対策チーム(ICT):環境整備、標準予防策の啓蒙
   ・抗菌薬適正使用支援チーム(AST):抗菌薬の適正使用への助言と評価
   ・褥創対策チーム(DCT):褥創(床ずれ)の評価、治療
   ・認知症ケアチーム:認知症の評価、治療
    
   ・糖尿病教室の開催
   ・がん患者サロンの開催

 また当院では特に緩和ケアチーム活動のうち、患者さんが自宅で療養できる在宅緩和ケアを推進しており、特定の患者さんに対しては週1回訪問診療も行っています。薬剤部も近隣地域の保険薬局と密接に連携を取って、患者を地域の医療資源を使って支える環境整備に努めています。在宅緩和ケアにおいて重要な医療器具であるPCAポンプとシュアフューザーポンプの調製も薬剤部内で行っています。

(11) 地域連携の推進

 「医薬分業」の推進に伴い、当院の外来患者における院外処方箋発行率は9割を超えています。つまり、病院で診察を受け、地域の薬局でお薬をもらう患者がほとんどです。更に昨今、管理が難しい抗がん剤の内服薬が増加し、レジメン、投与量、休薬期間などの情報を把握する事がますます重要になってきています。こうした状況下、薬剤部と保険薬局間の相互の情報共有である「薬薬連携」が重要であり、その強化に努めています。例えば、採用しているレジメン情報を地域に提供する勉強会を開催したり、逆に在宅緩和ケアでは保険薬局側から患者情報をフィードバックしてもらっています。このようにして、地域と一体となって患者をサポートする体制づくりに努めています。


当院薬剤師の専門薬剤師および各種資格

認定薬剤師・専門薬剤師 認定機関名 人数
医療薬学指導薬剤師 日本医療薬学会 1名
医療薬学専門薬剤師 日本医療薬学会 1名
インフェクションコントロールドクター(ICD) ICD制度協議会 1名
感染制御認定薬剤師 日本病院薬剤師会 1名
救急認定薬剤師 日本臨床救急医学会 1名
NST専門療法士 日本静脈経腸栄養学会 1名
病院薬学認定薬剤師 日本病院薬剤師会 1名
認定実務実習指導薬剤師 日本薬剤師研修センター 3名
認定薬剤師 日本薬剤師研修センター 1名
スポーツファーマシスト 日本アンチ・ドーピング機構 2名
博士(医学) 1名
第1種放射線取扱主任者 1名