緩和ケア
【 緩和ケア 】
がん患者さんにおいて、がんに伴ういろいろな症状(がん性疼痛や呼吸困難など)による苦しみに加えて治療に伴う辛さ、さらに身体的な苦痛以上にも辛い精神的・スピリチュアルペイン、仕事に行けないといった社会的な苦しみなど、苦痛は計り知れません。
がん対策基本法において明記されているように、がん患者さんは治療の早期の段階から緩和ケアを受けることで、その苦しみを少しでも和らげることが重要です。また療養の場所に限らず十分な緩和ケアが提供されて、在宅においてもがん患者さんが安心して過せるような環境が求められています。
当院では、がん治療早期からの緩和ケア提供を心がけ、さらに在宅療養をしっかりとサポートする体制を構築してきました。
当院の緩和ケアによるがん治療そして療養のサポートがその患者さんらしい治療選択となり、有意義な時間となることを目標として、緩和ケアの提供を行っています。
【 緩和ケア委員会 】
当院緩和ケア委員会は、癌患者および家族に対して、疼痛およびその他の肉体的症状や、また精神的・社会的および霊的(スピリチュアルペイン)によって苦痛を生じている状態を、適切な鎮痛剤(オピオイド主体)、鎮痛補助薬などの使用により、また緩和ケアチームを主体とした専門医療者全員でのケアによって肉体的・精神的苦痛の全人的緩和を行うことを目的として、平成19年10月から院長直属の院内組織として活動を開始いたしました。
その内容は、終末期、臨死期に限定したケアではなく、治療の初期段階から診断・治療・在宅医療などそれぞれの場面において切れ目なく緩和ケアを提供し、一般病棟と在宅医療に垣根を作らないように、在宅療養の支援診療所との連携も重要な責務としての立場をとることとしています。
また患者看取り後も、可能な限りの遺族のケアを行い、ビリーブメントケアも積極的に行うことも理念としています。